今年の春から京都生協の森林保全活動がスタートしました。これまで3回の保全活動として、作業道の整備や、見晴らし台・頂上広場の伐採を実施してきました。作業が一段落したこともあり、今回は整備を行なってきた場所をフィールドに「森林探索会」を行ないました。
前日に少し雨が降ったこともあり、外から見た湯谷山は霧につつまれていましたが、山の中の視界は良好で、探索には支障ありませんでした。
3名の森林インストラクターの方に協力いただいて、3つのグループにわかれて湯谷山に入りました。インストラクターの方から木々の名前や特徴などを聞きながら山道を登っていきます。これまで作業のためにただ黙々と登っていた道ですが、一つひとつの木に名称があり、それぞれ特徴や違いがあることを知り、とても新鮮な気持ちになりました。
鹿に皮を食べられてしまった木があったり、イタチ(テンかも?)のフンが落ちていたり、湯谷山にすむ動物たちの存在も垣間見ることができました。
まだ山には霧がかかっていました。
頂上広場についたら、午後からのクラフトで使う材料集めです。これまで徐伐した樹木や落葉から、小さな葉っぱや小枝・木の実などを、思い思いに拾い集めました。
湯谷山には、コナラやクヌギなど、どんぐりが実る木もたくさんあります。どんぐりを拾って育てて山に返す企画も予定していましたが、時期が遅かったためか、数が少なく、見つけても虫に食われていたりするものがほとんどで残念でした。
「ひいらぎ」や「ひのき」など聞き覚えのあるものをはじめ、「ソヨゴ」「たかのつめ」「ねずみさし」「ねじき」などを覚えることができました。次に山に入るときまで覚えているかな?また一段と山に入る楽しみが増えました。
山を下りると霧はすっかり晴れ、小春日和の気持ちのいい天気の中、炊き出しの豚汁と各自持参のお弁当で昼食をとりました。
昼食後、旭町自治会館の裏庭で森林インストラクターの方から木の廃材を利用した「ペレット」燃料の暖房器具の紹介を聞きました。低炭素で森の資源を有効に活用するものとして、購入には行政からの補助金も出るとのことでした。 (行政ごとに取り組み内容は異なるようです。)
そのあとは丸太切り競争です。競争といっても、速さを競うのではなく、目分量で「300グラム」をめざして切る競争です。ぞれぞれが自分の感覚で丸太を切ったあと、順に計測していきます。思ったよりも重いものあり、軽いものあり。一番近かった人は305グラム。「おしいー!あとちょっとでピッタリ」と歓声がわきました。
次に、クラフト制作に入りました。あらかじめ用意してもらった木の台に、山で拾い集めたものを、接着していきました。それぞれ真剣に葉っぱや小枝とむかいあい、個性豊かな作品ができあがりました。
接着剤を乾かす間、湯谷山に古くからある「松尾神社」へ散策に出かけました。築数百年の歴史ある木造建築の神社の境内には南天がみのり、また紅葉も美しく、参道には木漏れ日が差し込み、なんとも荘厳な雰囲気を味わうことができました。
いつもの保全作業とは、またちがった形で秋の湯谷山を満喫した一日となりました。