当協会では、去る11月29日及び12月4日の2回にわたり、森林保全や生物多様性保全の取組に関心のある企業担当者等を対象とし、京都の森をフィールドとして実践可能な活動を体験いただくワークショップを実施しました。
11月29日(金) スチールの森京都
南丹市日吉町のスチールの森京都において、身近な里山の植生調査と手入れを体験いただきました。
まずは京都森林インストラクター会 篠部幸雄会長(当協会理事)による「森林保全活動の意義について」をテーマとした講義を聴講。
続いて、エスペックミック株式会社 吉野氏の指導で植生調査をしながら、林内の遊歩道沿いに樹名板を設置していきました。
午後からは、里山の手入れとして、森林インストラクターの指導のもと、散策路沿いの広葉樹林の除伐を体験いただきました。
参加者からは、「普段森に関わる機会があまりなかったが、実際に森林の中での調査や作業が体験できてよかった」とご感想をいただきました。
12月4日(水)京都大学芦生研究林
南丹市美山町の京都大学フィールド科学教育研究センター芦生研究林において、生態系の研究についての講義の聴講と林内の見学に加え、鹿害により被害を受けた植生回復の研究に必要となる作業を行いしました。
冒頭、「芦生の森林の生態系の変遷と現在」として、石原正恵林長から長年の研究により明らかになった林内の生態系の変遷についての講義をいただきました。引き続いては、研究林内の説明を聞きながら移動。林内で、植生の回復状況を観察するために設置されている獣害防止柵を下ろし積雪に備える作業のお手伝いをさせていただきました。
参加者からは、「なかなか入ることのできない研究林内で、生物多様性の豊かさや鹿害による被害などについて知ることができ、大変勉強になった」「100年近く継続して調査研究をしているフィールドで、域内で絶滅してしまったものや危機的状況にある草花も多くあることを知った。」「生物多様性を守っていく取り組みの重要性を再認識した」といったご感想をいただきました。