令和7年2月25日から28日まで、フィリピンのボホール島にて、カナダに事務局を置く国際モデルフォレストネットワークのアジア参加地域の年次会議が開催されました。
日本からは唯一の加盟地域である京都が参加したほか、フィリピン、タイ、インド、中国、インドネシア各国の代表者、今後登録に向けて準備中のベトナム、カンボジア、ブータンからの出席者、また国際ネットワーク事務局長であるリチャード・バービスキー氏も出席しました。そのほか地元関係機関のほか、戦略パートナーとして、国際自然保護連合(ICUN)、国際森林研究センター=国際アグロフォレストリー研究センター(CIFOR-ICRAF)なども参加しました。
会議の中では、各地域の取り組みの情報共有に続き、今後さらに推進すべき事項の協議や、5月にカナダで予定されているモデルフォレスト世界大会の準備などについて積極的な意見交換がされました。その中で、活動の持続性確保のためのパートナーシップの重要性なども重要事項のひとつとして討議され、京都の多くの企業、団体を巻き込んだ取り組みについても、各国から関心が寄せられました。また、戦略パートナー団体等からは連携の可能性のあるプロジェクトなどが紹介されました。
現地視察では、ホスト地域であるカルード流域モデルフォレストのエリア内を巡りました。まず沿岸部では、地域住民によるマングローブを守るための取り組みと、関係機関の支援について聞き取りをしました。次に、山火事跡地で森林を回復するため、森林所有者である国の環境天然資源省と地域コミュニティとの間で進められている協働プロジェクトの現場を訪問しました。最後に、水源地である冷泉付近を観光客向けに公開しているエコツアーの取り組み事例を視察しました。いずれの取り組みも、地域住民、行政、地元大学も含めた強力なパートナーシップを現地のモデルフォレスト協議会が築いており、大変刺激を受ける内容となりました。
![]() 沿岸地域でのマングローブ保全の取り組みについて地域住民への聞き取り |
![]() 山火事跡地でアグロフォレストリーによる森林回復に取り組む地域住民への聞き取り。カカオなどの苗木の圃場にて |
アジア地域のネットワークは、現在RECOFTC(地域コミュニティ林業訓練センター、タイ本部)内に事務局が置かれ、こうした年次会議のほかオンラインでの情報共有などの活動が積極的に行われています。2025年には5年に1度のモデルフォレスト世界大会もカナダのオンタリオにて予定されており、引き続き国際的な情報共有を通じた活動推進が予定されています。