森林づくり基金を活用した事業について審議するため、森林づくり基金運営委員会を開催しましたので、その結果を報告します。
開催日時
平成29年7月19日(水曜日) 10時30分から12時
開催場所
京都木材会館 2階 会議室
出席委員 (五十音順 敬称略)
- 愛甲政利 (京都府木材組合連合会専務理事)
- 明致親吾 (京都CSR推進協議会会長)
- 伊山勇雄 (府民の森ひよし森林倶楽部会長)
- 大下起代 (京都府農林水産部森づくり推進課モデルフォレスト推進担当課長)
- 小山里奈 (京都大学大学院情報学研究科社会情報学専攻生物圏情報学講座准教授)
- 篠部幸雄 (京都森林インストラクター会会長)
- 古田裕三 (京都府立大学大学院生命環境学部生命環境科学研究科教授)
- 和田泰行 (京都府林業士会会長)
議事
(1)報告事項
平成28年度森林づくり基金活用事業の実績について
○平成28年度森林づくり基金活用事業の実績について以下のとおり報告しました。
No | 事業実施主体 | 実施箇所 | 事業内容 |
---|---|---|---|
1 | 豊郷公民館 | 南丹市美山町豊郷 | 植栽(クヌギ) |
植栽(桑) | |||
下刈り、雪起し、蔓伐り | |||
食害防止ネット | |||
2 | 八木町森林組合 | 南丹市八木町玉ノ井 | 下刈り |
間伐(ヒノキ) | |||
植栽(クヌギ) | |||
3 | 京都モデルフォレスト協会 | 南丹市日吉町天若 | 普及啓発イベント |
4 | 八木町南北広瀬生産森林組合 | 南丹市八木町北広瀬 | 下刈り |
食害防止柵 | |||
椎茸植菌 | |||
堆肥 | |||
5 | 亀岡市森林組合 | 亀岡市東別院町東掛 | 下刈り |
6 | みやわきBilly(美郷) | 南丹市美山町宮脇 | 下刈り |
ネット補修 | |||
7 | 宮島振興会 | 南丹市美山町宮島 | 人工林・天然林除間伐 |
植栽(桜) | |||
森林・環境学習 | |||
薪ストーブ利用紹介 | |||
8 | 宇治田原町森林組合 | 宇治田原町南御林山 | 人工林間伐 |
9 | 旭町三俣山組合 | 亀岡市旭町三俣 | 人工林間伐・枝打ち |
10 | 旭町三俣山組合 | 亀岡市旭町三俣 | 枯れ松等伐倒処理 |
11 | 湯船財産区 | 和束町湯船一の谷 | 人工林間伐 |
12 | 宇治田原町 | 宇治田原町立川御林山 | 下刈り |
13 | フォレスト南山城 | 南山城村野殿・童仙房 | 人工林間伐 |
14 | 雲ヶ畑コモンズ・結い林業組合 | 京都市北区雲ヶ畑 | 人工林間伐 |
15 | 竹井生産森林組合 | 南丹市園部町竹井 | 人工林・天然林間伐 |
16 | 大河内生産森林組合 | 南丹市園部町大河内 | 天然林除間伐 |
歩道整備 | |||
17 | 安場町杣連 | 綾部市安場町打越・波路谷 | 人工林・天然林間伐 |
18 | 亀岡市森林組合 | 亀岡市宮前町神前 | 人工林間伐 |
19 | 大河内生産森林組合 | 南丹市園部町大河内 | 天然林除間伐 |
歩道整備 | |||
看板設置等 | |||
20 | 宇治田原町森林組合 | 宇治田原町立川観音山 | 人工林間伐 |
(2)審議事項
平成29年度森林づくり基金活用事業計画について
平成29年度森林づくり基金活用事業計画内容について審議されました。
○平成29年度森林づくり基金活用事業の申請先及び活動内容
No | 事業実施主体 | 実施箇所 | 事業内容 |
---|---|---|---|
1 | 八木町森林組合 | 南丹市八木町玉ノ井 | 下刈り |
活動拠点施設 | |||
2 | 京都モデルフォレスト協会 | 南丹市日吉町天若 | 普及啓発イベント |
3 | 豊郷公民館 | 南丹市美山町豊郷 | 植栽(クヌギ) |
植栽(桑) | |||
下刈り、雪起し、蔓伐り | |||
食害防止ネット | |||
4 | 亀岡市森林組合 | 亀岡市宮前町神前 | 人工林間伐 |
5 | 八木町南北広瀬生産森林組合 | 南丹市八木町北広瀬 | 下刈り |
雑木除伐 | |||
椎茸栽培 | |||
植栽(ツツジ) | |||
6 | 大河内生産森林組合 | 南丹市園部町大河内 | 天然林除間伐 |
歩道作設 | |||
7 | 宇治田原町森林組合 | 宇治田原町南御林山 | 人工林間伐 |
作業道補修 | |||
8 | 宇治田原町森林組合 | 宇治田原町立川白谷 | 人工林間伐 |
作業道作設 | |||
9 | みやわきBilly(美郷) | 南丹市美山町宮脇 | 下刈り(ネット・トタン除去等含) |
10 | 旭町三俣山組合 | 亀岡市旭町三俣 | 人工林枝打ち 雑木の除伐 |
11 | 旭町三俣山組合 | 亀岡市旭町三俣 | 枯松伐倒処理 雑木の除伐歩道整備 |
12 | 湯船財産区 | 和束町湯船中の谷 | 人工林間伐 |
13 | 宮島振興会 | 南丹市美山町宮島 | 人工林・天然林除間伐 |
森林・環境学習 | |||
薪割りイベント等 | |||
14 | 宇治田原町 | 宇治田原町立川御林山 | 下刈り |
除伐・枯損木処理 | |||
15 | 竹井生産森林組合 | 南丹市園部町竹井 | 天然林除伐 |
16 | フォレスト南山城 | 南山城村野殿・童仙房 | 人工林間伐 |
17 | 雲ヶ畑コモンズ・結い林業組合 | 京都市北区真弓 | 人工林間伐 |
18 | 安場町杣連 | 綾部市安場町打越・波路谷他 | 人工林・天然林間伐 |
19 | 宇治きこりの会 | 宇治田原町 | 天然林の除間伐 |
歩道作設 |
審議結果
この議案については、下記委員意見を踏まえ承認することとなりました。
(3)その他
今年度、2次募集は実施しない。
委員意見要旨
(1)平成28年度森林づくり基金活用事業の実績について
- 特に意見、質問なし。
(2)平成29年度森林づくり基金活用事業計画について
- ・標準単価より小さければよいということでよいか。
→はい。標準単価で設定されていない内容など、評価しようがないものは見積もりなどで確認させていただいている。 - ツリーハウス、活動拠点という位置づけでよいのか?
→社員の家族等子ども達が興味をもつものとして企画されたもの。 - 公募の応募件数は。
→本件採択分が全部。対象外となるのものは申請がなかったので、特に省いていない。 - 複数の地域連携のものはなかったか。単発のものばかりか。
→地域が近いものはあるが、偶然であり連携されているものはない。 - 手入れが行き届かないところも多いので、これから応募が増える可能性がある。
→間伐作業であれば、公募枠の審査対象となるので結構。 - 寄付金をソフト面で有効に使うという方法も考えていただければ。行政がすべきことかもしれないが。
上流(山林側)が手入れできていないと下流(都市住民側)に被害がでるということの理解も広めていただきたい。
ボランティア活動のみが先に立ってしまって、森を守ろうという点が抜けてしまいがち。
→流域を守ろうとする取り組みのひとつがモデルフォレストなので・・。
→いろんな意見があり、こうした議論自体モデルフォレストとしては重要。
地域がかたまっていてはいけないので舵取りは重要。予算面制約あると思うが可能であれば広報面の取り組みも検討いただきたい。 - 生産森林組合とはどういう組織か。
→共有林の管理を現在の自治法にいれていくなかで財産区を設定。それを管理する組織として生産森林組合を行政が先導してはじめた。その生産森林組合も自分たちで生産、管理をされていが、今は高齢化で作業できなくなっている。固定資産税さへ払えなくなり解散を検討している例も多い。今回も寄付対象とする例が多いのは、企業の支援を受けるにも個人の森林を対象とすることは難しいが、共有林が対象となる例が多い。
→生産森林組合が高齢化になってくれば、森林組合の作業班が作業は手伝うということになってくるだろうが。
→実際に寄付は生産森林組合の計画に対してあてられるが、実働作業は森林組合が受けておられるところはある。 - 広報の話題でもあったが、1ha間伐したら、それが何になるか、災害防止の面にどうつながっていくのか、因果関係が府民の方々だと分かりづらいと思う。何ha間伐したらどうなるか。わかってきたら一般の方も興味がもてると思うが。
→これは協会だけの課題とは言い難いだろうが・・・。
→府も森林環境税を導入してやっているが、定量的には言いにくい。定量的に説明できるのはCO2の吸収源対策。それ以外も含め森林の機能の重要性については行政側で周知すべき課題。 - ボランティアと企業を結びつけることだけがモデルフォレストではない。全体として「機能ある森林」をつくっていこうというのがもともとの話だったと認識している。30年ほど前までは、木が売れていたので機能ある森林が維持できていた。そこが崩れたのでどんどん機能が低下していっている。現在の木材の山元価格でどうして森林の機能が維持できるか。現状のままでは下流に安心は提供できない。
→森林についての啓発、広報は本来は国の仕事と思うが。
→広報の面は重要。京都でのモデルフォレスト運動も十年経ったので、そろそろ地域連携なども含め展開させる話があっても。 - 公募の状況、予算的にはどうなのか
→昨年度分は越えた。 - 評価項目が8個あるが、申請のフォーマットも対応したものか。広報についての項目を追加していけば。
→活動組織が広報といっても難しいと思うが、資金提供者である企業の広報面での協力という面もさらにお願いしていきたい。 - 審査基準として他地域との連携などの可能性を方針書に書いてもらえれば。
→地元地域との連携は書いていただいているが、流域単位での取り組みへ広げるという意味で。 - 寄付されている会社自身がどこまで広報されているかは確かにわからないところはある。
広報なら新聞社に出したらよいという話もされていたが、そういうことではない。協力を広げていっていただきたい 等